キャップレスさんは救世主

 エルバンさんちのスケさんに出会う少し前。去年の十二月始めくらいの頃ですね。

 僕は新しい手帳に添えるためのペンを探していました。

 ちょっと奮発して、『ほぼ日手帳オリジナル』を選んだはいいものの、手帳にあうペンの手持ちがなかったためです。

 それというのも、『ほぼ日』さんはカバーをつけると、ペンホルダーにペンをさすことで手帳が開かなくなる仕様になるんです。ですが、ペンホルダー部分が思いの外大きめでした。手持ちのボールペンはどれもこれも細身で、どうにもしっくりこなかった(というかうっかりへし折りそうだった)ので、新しく購入することにしたのでした。


 この時、コクーンさんをお役目にあてる案がありました。

 ですが、却下しました。急いでメモをしようとして手を滑らして落っことすのが目に見えていましたからね。

 もうこれは絶対にやる。やるに違いない。自信がある。

 そんなときに出会ったのが、パイロットさんちのキャップレスさんでした。

 なんと、このキャップレスさん、ボールペンのようにお尻をノックすることでペン先を出し入れできるんです。これは万年筆界では画期的な仕様で、このノック式を採用しているのは世界でもキャップレスさんだけ(だったはず)なのです。

 名前ですでにネタバレしていますが、ノック式ゆえにキャップを必要としないキャップレスさん。

 急いで書きつけをしたいときにすぱっと取り掛かれて良し。

 キャップを外そうとして勢い余って手からすっぽ抜けていく危険が無くてさらに良し。

 万が一取り落としても、ノック前なら軸が完璧にニブを守ってくれるのでさらにさらに良し。

 もう欠点がひとつも見当たりません。

 まさにデストロイヤー界の救世主と呼ぶほかありませんね。


 素敵な素敵なキャップレスさん、いくつかシリーズ展開がありまして、ニブの素材によってお値段がかなり変動します。お買い求めの前に、公式サイトでチェックしてみてください。

 鉄ペンと金ペンと、お好きなのを選べるのですね。

 うちのは某密林さんのお値引き価格でお迎えした金ペンで、太さはF(細字)です。

 F、という表記はウォタ子と同じですが、この二者は文字の太さが全然違います。

 ウォタ子は始めの方で触れた通り、Fと言っても1mmはあります。

 対してキャップレスさんは目算でだいたい0.5mm弱くらい。細かい漢字も比較的楽に書けます。

 手帳のような狭い紙面に文字を書く場合は、国内メーカーの細字が良い、と言えるでしょう。

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