第十九短編 天はこたつの上に人をつくらず

 ただいま冬真っ盛り。今日はそれに加えてしんしんと雪が降っている。

 そんな天気で、私はいつも通りこたつの中でまったりと過ごしておりまする。


 今日は冬休みを半ばに差し掛かったところで、手の付けていない大量の宿題たちは視界の端にも入れないでまったりまったり。宿題は休み明けにするものなのだ。


 だから私の状態はとても正常なもの。つまり私が正義。アイアムジャスティス。


 お母さんはたまには外に出て遊ぶなりなんなりしなさいって言うけれど、なんでわざわざ用事もないのに外に出て寒い思いしなくちゃいけないのか理解できませーん。


 そう言ったらお母さんは、向かいのカコちゃんだって外で遊んでるじゃないって。


 いやいや向かいのカコちゃんは五年生でしょ。私と二つも違うじゃん。私ももう子供じゃあないんだよ? そんな雪程度に興奮する時期はとっくに過ぎたの。


 それでも外に出なさいと口うるさいお母さん。


 はいはい分かりましたーって適当な返事をしたら、ついに呆れた顔をして家事に戻って行った。


 まあでも、毎日家にこもってたら健康に悪いのは私も分かる。そろそろ外に出るべきなのかなあ。でもこたつからは出たくないんだよなあ。


 どうしよう。外に出てもいいけれど寒いのは嫌だ。これがパラドックス。むむむ難問だ。


 そんな感じでこたつでぬくぬくと考えてると唐突にピコンってひらめいた。

 こたつを外に持ち込めばいいじゃん! 会心の発想だ。


 そうと決まれば延長コードが必要だ。確かあそこにあったはずと、勇気を出してこたつから脱出。


 やっと見つけた延長コードとこたつをよっこら運んで庭に設置完了。


 パチッと電源を点けて背中は寒いけど下半身は温か、くない! 下の雪が溶けて固まって氷になってる! 最悪だ。ズボンびしょびしょ。


 もう諦めて家に引きこもろう。

 

 ばれないように片付けたけど、きっちりばれて怒られました。

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