閑話休題:桐島家②

 午後4時を過ぎたころから、桐島家の小鳥たちはにぎやかに囀りだした。

「カイたち、今頃なにしてるのかしら」

「あの異世界って場所に行って、探検をしてるんだよ」

「ホントは、ライラとデートしてるんじゃない?」

 アオとミドリの会話を聞いていたミケが、顔を上げて時計を見た。

「それにしてもカイちゃんたち、遅いわね。夕方までには帰ってくるって言ってたけど…」

 絶えず足を毛づくろいするミケを見て、アオが声をかけた。

「姉さん、心配なの?」

「なにか、悪い予感がするのよね」


 動物たちが話し合っていると、カイの母親が帰ってきた。ミケたちはしばらく母親と戯れていたが、日が暮れると、いよいよおかしいと思い始めた。智子も心配している。


 智子が方々に電話をかけ始めると、動物たちは顔を見合わせ、異常事態が起こっているのだと悟った。

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