第53回 モスクワ中央環状線の輸送力増強は必要。

 今回はロシアの鉄道であるモスクワ中央環状線について説明します。

 モスクワ中央環状線は2016年(平成28年)に完成した貨物線を転用したモスクワ地下鉄の路線の1つで、事実上は地下鉄でなく郊外列車です。

 ですが、モスクワ地下鉄が運営する事でモスクワ市交通局として共通運賃を適用し、利便性を劇的に向上させています。

 ですが、この地下鉄が5両編成で運行されているのは非常に良くないとされます。

 何故なら、モスクワ地下鉄のラッシュ時は非常に混雑しており、乗れない乗客も非常に多くなっている他、モスクワ市近郊は車の渋滞が激しいのでそれも非常に良くないからです。

 なので輸送力増強が必要になってくると思います。

 今回はモスクワ中央環状線の輸送力増強について述べていく事にしましょう。

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 モスクワ中央環状線は貨物線を転用した郊外列車で、東京で言えば山手線、大阪なら大阪環状線みたいなものです。

 モスクワ地下鉄の利用者数は東京や北京に次いで多く、上海やパリ、ニューヨーク、大阪よりも多くの利用者を輸送しているのが特徴です。

 故に既存の地下鉄は20m車などの大型車両での運用が多く、4扉が主流となっています。

 又、運賃も比較的安価な事、モスクワ近郊の道路が渋滞している事が多い事を考えると非常に重要な移動手段となります。

 しかし、地下鉄の10両運用は非常に厳しい側面が大きく、混雑緩和に適していません。

 又、地下鉄特有のホームの拡張が厳しい影響からか、10両編成の運用が非常に厳しく長くても8両編成が限界なのが実情です。

 なので今後、モスクワ中央環状線は5両編成の列車を10両まで伸ばすような施策は非常に必要だと思います。

 10両31本で運営すれば、モスクワ中央環状線は山手線並みの機能を持ち始め、転換クロスシートやトイレの多さなどから非常に優秀な鉄道路線として貢献できるからです。

 又、パリやロンドンなどは環状鉄道がない上、地下鉄の規格も小さいのでそれらの都市に比べて輸送力では圧倒的に有利に運べます。

 故に、5両編成の列車を10両に延伸させれば、必要な本数が確保できる他、転換クロスシートの影響で乗り心地が向上します。

 又、利用者が多い影響で改札式なので検札員が監視される不安がないので安心して寝過ごせられるのもモスクワ中央環状線の特徴なのでそれも覚えておくと助かりますね。

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 そして、モスクワ中央環状線で最も10両編成を31本揃えたら快速運転も必要になります。

 山手線みたいに莫大な輸送量を運ぶ場合、快速運転は厳しく、複々線などで他路線に分けて運営しなければ意味がないのに対し、モスクワ中央環状線は大阪環状線と同じような政策をとれば良いと思います。

 大阪環状線では快速運転を行っている他、転換クロスシートやトイレ付車両の運用も非常に多いので山手線に比べて快適に移動できます。

 なのでそれを上手く利用して、モスクワ中央環状線は途中駅の待避を上手く使いながら快速運転を行うと非常に移動が良くなるでしょう。

 なので、待避線を上手く使いながら緩急接続を向上させる方が大事だと言えるのです。

 この様にモスクワ中央環状線はモスクワの混雑緩和を上手く貢献できるかが勝負の決め手となります。

 モスクワはあまり自転車での移動に適していないからこそ、この様な鉄道政策は重要になってくるのです。

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