第41回 名古屋地区の鉄道について考える。近鉄編。

 前回までは名鉄について説明してきました。

 名鉄は改良などを進めば鉄道利用者も更に増加が期待できると思います。

 理由としては名鉄の乗降人員が大手私鉄で一番、利用者が増加している事が上げられるからです。

 そんな名鉄とは裏腹に近鉄きんてつは大手私鉄で最も利用者を減らしている私鉄です。

 大手私鉄で利用者を減らしているのは近鉄・東武・阪急・相鉄そうてつ辺りが有名ですが、近鉄について問題なのか考えてみましょう。


 近畿日本鉄道はご存知の通り、日本最長の大手私鉄で大阪・京都・奈良・三重・愛知などを跨る私鉄です。

 運賃も名阪間等の長距離で安い一方、5km~20kmでは短距離では鬼の様に高いのも近鉄の特徴です。

 しかし、名古屋線を含めて近鉄の利用者減少の背景には近鉄による独占が主な要因といえます。

 なぜなら、並行する関西本線は単線区間が多い上、伊勢鉄道で別運賃や非電化などの制約があるのであまり便利とは言えず、これが原因で近鉄に独占を許してしまいます。

 つまり、関西本線の単線区間の多さや伊勢鉄道の存在、更に市街地が近鉄寄りにあるなどの要素が近鉄の殿様商売を許し、結果的に近鉄の奢り高ぶりで利用者を減少させたことに繋がります。

 これは普通列車の種別にも良く現れている事だと言えます。

 近鉄名古屋線の普通列車の種別は急行・準急の2種類しかなく、準急に至っては事実上、各駅停車なので急行のみが主力種別になります。

 ですから準急の改善が急務といえます。

 まず、近鉄蟹江駅きんてつかにええき以西で各駅停車になっている準急を桑名駅くわなえきまで延長させます。

 そして、普通列車は全て桑名駅で折り返しできる構造にする事で名古屋駅~桑名駅まで競争力を強化する事が出来ます。

 そして、いままで急行・準急が通過駅だった八田駅を新たに停車させ、名古屋市営地下鉄の乗り換えの向上に繋げる必要があります。

 又、近鉄四日市駅きんてつよっかいちえき止まりの準急を伊勢若松駅いせわかまつえきまで延長させ、鈴鹿線すずかせん方面に向かう列車にする事で日中の鈴鹿線の列車はほぼ全て準急にします。

 これにより、桑名駅折り返しの普通列車の新設のみならず、伊勢若松駅~伊勢方面始発の普通列車の設定も可能になり、運用の柔軟性も向上します。

 加えて、鈴鹿線は原則準急のみになる為、名古屋駅まで直通する列車が増えるので、鈴鹿線直通の名古屋行きで四日市や桑名、名古屋を早く結ぶことが出来るようになるのです。

 因みに急行に関しては従来通りにしながらも停車駅を見直しながら、伊勢若松駅以南を各停化と近鉄八田駅きんてつはったえきの停車は更に必要だと言えます。

 そして、伊勢若松駅以南を通過運転を行う、快速急行を運転する事で急行は郊外列車の運行に変えられ、どこから各停になるのか分かりやすくなるので普通列車は桑名折り返し、準急は鈴鹿線直通、急行は松阪駅まで、快速急行は伊勢市駅まで運行可能になり、列車の合理化も楽になり、利用者の回帰に繋がります。

 又、JRに関しても河原田駅かわらだえきまでは複線化し、伊勢線はJR東海が運営、伊勢線~津駅~松阪駅~多気駅たきえき参宮線さんぐうせんは全て電化して313系で統一しながら転換クロスシートを導入する事で近鉄にも良い刺激を与える事が出来るでしょう。


 つまり、JRが如何に近鉄を刺激させ、近鉄の殿様商売を抑えるのかが重要になると思います。

 次回は、名古屋市営地下鉄・バスについて説明して行きます。

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