第36回 ベルリン地下鉄が閑古鳥になった理由。

 海外の鉄道制度が正しいかどうかも検証しなければなりません。

 何故なら、欧米の鉄道は日本や露中などより利用者が少なく、車両規格も小さい場合もあるので十分に検証する必要があります。

 又、運賃だけでなく鉄道制度自体に問題があるのかも検証する必要性があります。

 今回はベルリン地下鉄の問題点を踏まえて鉄道利用の検証を考えてみる事にしましょう。

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 ベルリン地下鉄の利用者数は1日平均130万人でこれは主要国の地下鉄では最も利用者が少ない地下鉄といえます。

 又、現在のベルリン地下鉄は利用者減少に歯止めが掛けられず、ナチス・ドイツ時代で最高の数字を叩き出して以降、戦後はその数字を一切、超えた事はありません。

 何故、ベルリン地下鉄で利用者減少がここまで進んだのか?

 それは信用乗車方式と高額な運賃制度が原因となります。

 元々、ドイツは鉄道・バスなどの公共交通機関の運賃がかなり高いです。

 高い理由として以下の理由が挙げられます。


 1.再エネや電力自由化などで電気代が高騰している。


 2.信用乗車方式のシステム上、検札員を減らす事が出来ないから。


 3.又、その検札員が低賃金で過酷な労働に関わらず、自動改札を導入する兆候が一切ないから…。


 4.車両と線路は別事業者で運営しているから…。


 等が理由として挙げられます。


 といっても、4番の別事業者は地下鉄はまだなっていないからまだしもドイツの郊外鉄道では常態化しています。

 郊外鉄道は今後の話で掲載するのでここでは省きますが、1番~3番まではベルリン地下鉄を始めとしたドイツ鉄道の問題点といえます。


 1番の電気代問題は電力自由化による安定的電源の崩壊を如実に表し、これが停電や電力不足、電線トラブルを招きます。

 又、電力会社が更に儲けようとする為、値上げも平然と行われます。

 水道民営化でも同じような現象が起こるのはその為です。

 事実、水道民営化では値上げが起きる他、水質悪化を招く危険性が高い事を証明されているのは事実です。

 なので、その電気代の高さが鉄道運賃に跳ね返ります。


 2番と3番は信用乗車方式の決定的な致命傷の制度です。

 何故、致命傷になるのか?

 信用乗車方式では不正乗車対策の為に事になります。

 その検札員は所詮、人間の目でしかなく、です。

 つまり、検札員がいる事で検察トラブルが確実に起きます。

 例えば、1…。

 これは人間の眼なので誤認するのは当然ですが、為、自分達の利益を得たい為にわざと嘘をついて金を毟り取ります。


 つまり、低賃金で過酷な環境で起きている事から必然的に検札員はそうする事で金を得ようとする乞食こじきと変わりありません。

 つまり、ドイツの検札員は人手不足で官製ブラック企業といえます。

 加えて事…、ドイツ自体が米多国籍企業の属国の為、米多国籍企業の価値観をそのまま押し付けます。

 又、検札員は乗客と喧嘩など日常茶飯事の為、かなり退職や命に係わる職業です。

 ですが、前述した通り、緊縮財政の為、派遣社員・契約社員を採用している為、非正規雇用が非常に多いです。

 つまり、非正規した上で安い賃金でこんな命がけの仕事をしている検札員はまともに検札をしません。

 賊に言う接客態度が悪くて、労働環境も劣悪なアメリカ的労働形態の1つだと思います。

 労働者の事を思うなら他国の都市部と同じように自動改札を導入する事をすれば問題ないのですが、緊縮財政でドイツの地下鉄では自動改札を入れていない駅が非常に多く、未だに検札員が多くいるのが特徴です。

 加えて検札員は高齢化していて、更に人手不足です。

 その人手不足や高齢化している背景から検札詐欺も横行しています。

 つまり、正規の検札員を含めて検札詐欺を横行しているので利用には慎重にならざるを得なくなり、戦後のベルリンでは地下鉄利用が激減し、ベルリン地下鉄自体も公営でありながらかなり赤字額が多く、利用者も激減している事から、ドイツ国民の税金で穴埋めします。


 つまり、国や自治体が運営し独立採算制でなくても利用者が減少し、共通運賃や国・地方自治体で管理すれば良い問題ではないのです。


 根本的にベルリン地下鉄には自動改札が必要だと思うし、検札員がいる環境で電車に乗るとストレスが溜まる、恐怖で嫌な環境になる事から検札員は不要な職業の1つといっても良いと言えます。

 なので自動改札などを用いて自動化が最優先されるべき、職業といえます。


 それ故にベルリンなどのドイツの都市部では、公共交通機関の利用者が少ないので、ドイツの裏を調べる必要があると言えます。

 ドイツの鉄道制度を良く調べて、鉄道利用しやすい環境を整える事が鉄道利用を回帰させる手段であると同時に、ベルリン地下鉄の反面教師を行う事も重要といえます。

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