第20回 フリーパス制度を充実して自転車・自動車分担率を下げる。

 海外の1日乗車券との比較表を出して運賃の比較表をまず考察します。

 1日乗車券は日本の場合は、比較的安い物から高いものまであります。

 しかし、欧米みたいに極端にゾーン制で区分けされていない辺りは評価できるでしょう。

 私鉄でも東急は660円、渋谷駅~二子玉川駅~自由が丘駅の区間乗車券も400円と比較的安く、阪急阪神の1日乗車券も1200円と複数の駅利用や距離を重ねるごとに利用しやすくなる駅乗車券も距離の割に安いと言えます。

 つまり、大事なのはキロ数当たりの1日乗車券で値段の高さが決まってしまう事です。

 日本の場合は、短距離で高く、長距離で安い傾向が強いと思います。

 初乗り加算の影響もあるが、逆にそのお陰で私鉄との競争が値段も含まれている影響で長距離運賃が安くなっている事が大きい。

 他方、欧米の多くの国では短距離で安く、長距離になると高くなる傾向が強くなり、1日乗車券でもその傾向が強くなっていきます。

 特にフランスは地下鉄やトラムのみの使用なら日本より割安になりますが、郊外電車やバス利用を含めると高くなる傾向が一層強くなると言えます。

 無論、割引すれば安く移動できますが、それが却って普段の運賃が高いとみなされ、特にドイツ、英国、イタリアなどでは鉄道負担率がかなり高い傾向があります。

 更にドイツでは検札詐欺や冤罪罰金(ABC1日券を短距離券とワザを間違えて金を巻き上げる検札員もいる。)なども考慮するとかなり高い運賃になる為、表面上の運賃ばかりに騙されない事も重要だと言えます。

 又、欧州の高額鉄道の多くはゾーン制を敷いている事が多く、そのゾーン制が運賃の高さを際立たせる理由にも繋がるので運賃制度は距離別か均一制の2択にする事がモーダルシフトの要因といえるでしょう。

 更に1日乗車券でも同じような制度を敷いているのでこれが却って利用しづらい状態に変わり結果的に敬遠される理由となるでしょう。

 ここまでが欧米との比較となります。

 それを元に1日乗車券や鉄道運賃をどうすれば自転車から鉄道に戻せるのか考えていきましょう。


 1.グループ会社で共通運賃制度を制定する。

 これはごく当たり前な、やり方で全てやってしまうと時間だけの競争になって、JRだけが優位になる危険性があります。

 それ故にグループ会社だけで共通運賃制度を適用し、乗り換えするなら加算運賃制度を適用する事で利便性向上に繋がります。

 例えば、JRグループや国鉄時代に第三セクター鉄道は共通運賃制度を取りながら三セク区間には加算運賃を適用するなどが上げられます。

 これは京成グループでも同様で新京成の運賃を基準としながら北総・京成等は加算運賃で対処する。

 グループ会社でなくとも阪急阪神や山陽などは阪急の運賃を基準としながら阪神電車や能勢電、神戸高速、神鉄、山陽電車で同じ運賃にする事でJRとの競争を落とすことなく優位に働くことが出来る等、この共通運賃制度はやる必要性が高いと言えます。

 そうする事で初乗り加算は大分、減少するのみならず、JRとの競争に時間以外でも適用できる利点があります。


 2.地域間の複数の事業者で1日乗車券を充実させる。

 これも鉄道利用を促進させるには非常に効果的な方針で地域間の事業者で1日乗車券を充実させる事が非常に大事だと思います。

 例えば、東京圏なら東京圏の鉄道で1日乗車券を充実させる。

 ただ広げるだけでは高くなるので地域間で1日乗車券を充実させる必要があります。

 つまり地域間で1日乗車券を充実させる事で共通運賃制度をやらずとも安く移動できる要因となります。

 寧ろ、1日乗車券を安くした上で豊富な値段を用意すればマイカーや自転車利用を上手く流せる可能性が大いにあると言えます。


 3.1日乗車券には印字せずにIC乗車券に登録できるシステムの構築。

 IC乗車券の利用を増やす為には1日乗車券をICカードの対応も必要となります。

 1日のみなのでICカードに印字する事をしなければ定期利用者もICカードの利用を促してくれると思います。

 更に1日乗車券をICカードでも販売する事で1日乗車券をICカードで登録する事で切符発行もなくなる為、結果的に鉄道利用の向上のみならず、1日乗車券の値段そのものも下げる事が可能になるのです。

 つまり、切符の発行を減らしてIC乗車券で1日乗車券に対応する事で1日乗車券の運賃を下げることなく移動が出来るのです。


 いかがでしたか、1日乗車券を充実させる事で自転車利用を鉄道シフトさせるかにより自転車のマナー向上に繋がります。故に、鉄道利用向上が交通マナーの向上に繋がるのです。

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