第19回 鉄道・バス乗り放題を充実させよう02。

 ※為替相場及び地下鉄運賃は2017年(平成29年)10月現在の相場です。今後、地下鉄運賃などの値上げや為替相場の変動で値段が変わってきます。




 前回は日本の1日乗車券について出し、地域間との比較表をだしました。

 今回は、諸外国の1日乗車券についても記載しておきます。


1.ドイツ

 ベルリン(AB一日券):7.0ユーロ(910円)

 ベルリン(BC一日券):7.4ユーロ(953円)

 ベルリン(ABC一日券):7.7ユーロ(1001円)

 運賃は共通運賃なのでバスを利用すれば確かに東京に比べて安いもののベルリンの全区間の1日乗車券は北陸鉄道の鉄道1線・バスを合わせた1日乗車券と殆ど同額で市内移動には高く、検札詐欺や冤罪罰金リスクを考えるとかなり高額な鉄道といえます。


2.英国

 トラベルカード使用で12~17ポンドだが、これを日本円(145円=1ポンド)で換算するとかなり高い。

 近距離利用だけで12ポンド(1740円)、遠距離なら17ポンド(2465円)とかなり高額な運賃で初乗り加算がある日本よりも高い。

 しかも、オイスターカードの割引はあまり効果がなくその影響で自転車利用が顕著となっている。


3.ロシア

 モスクワは1回の乗車で55ルーブル(約108円)と安く、バスや鉄道、路面電車などのモスクワ市内の交通が安いお陰か日本や欧米の地下鉄より安い。

 3日券でもこれらの交通が利用出来て400ルーブル(約780円)と安く、これも安い。

 やはり国が管理するといっても均一制か距離別の方が利用者にとってはありがたいものと思われる。


4.中国

 上海の場合、初乗り~6kmが3元(17円=1元と換算し、51円)と安く、以後は10km毎に1元増えるとなると日本や欧米の地下鉄より遥かにやすい。

 その影響からか利用者が多い傾向があり、東京やモスクワ並みに混雑します。1日券が18元(306円)、3日券が45元(565円)と他国に比べ割安感が強い。

 加えて地下鉄だけでも移動できる路線網なので遠くまで運べることは大きな利点と言えよう。

 北京は初乗り~6kmで③元(51円)で以後10kmや20km毎に1元増える。

 北京もやはり欧米や日本に比べたら相当、お得な値段と言えよう。


5.イラン

 イランも均一性運賃を適用しており、4500イランリアル(約15円)程度で移動できる世界最安の地下鉄といえる。

 加えてエマーム・ホメイニー空港からメフラバード空港の移動が楽なので中東のハブ都市と言われるのはそれ故なのかもしれない。

 1日乗車券を使わなくても便利な地下鉄の1つ。


6.アメリカ

 ニューヨーク市は均一制の為、長距離になる程安くなるが基準が安くない為、短距離だと鬼のように高いのが特徴。

 また、アメリカは世界最大の借金大国で値上げ頻度が高いのも特徴です。

 1回券は3ドル(112円=1ドルと換算すると336円)で長距離利用は楽でも利用頻度の高い短距離は鬼の様な高さが目に見えて分かります。

 バスとの共通運賃が整えられ7日間使える乗車券もあるががそれでも利用頻度の高い短距離利用となると鬼の様な高さからあまり良いとはいえません。


7.フランス

 フランスの地下鉄は他の西欧や北欧に比べて割安な運賃を適用されており、日本とほぼ同額かやや安めに設定されています。

 地下鉄は均一制でバス(ゾーン制に注意)・鉄道共通で1回券は1.9(約247円)ユーロ共通運賃を考慮すると日本よりも割安で行かれます。

 一日乗車券でも地下鉄のみの利用なら7.5ユーロ(約975円)日本より少し割高な運賃になりますが、それでもドイツや英国よりは安いです。

 但し、バスや郊外鉄道を全ての区間で利用する様になると17.8ユーロ(2314円)とかなり高額な値段になるのが難点といえます。


8.スイス

 スイスは地下鉄こそないが、ジュネーブではバスや路面電車は共通運賃を採用しています。

 但し、ゾーン制なので高額な運賃に陥りやすい難点を示しています。

 2ゾーン利用で391円。

 6ゾーン利用なら1127円とかなり高額な運賃になり、かなり高い運賃といえます。

 つまり、スイスは自動車の維持費も高いので自転車分担率が高い都市となります。

 結果的にマナーの悪い自転車増加に貢献している都市といえます。


9.スペイン

 スペインのマドリードは比較的安い地下鉄となっておりA区間及びMETRO LIGERO区間内なら5駅まで1.5ユーロ(約195円)と安く、10駅まで0.5ユーロ(50セント)増加し、上限は2ユーロと他の欧州諸国より安い運転で利用する事が出来ます。

 即ち、日本や西欧・北欧諸国より安い運賃で移動できるのが魅力的と言えよう。

 ゾーン制でありながら運賃が安いのが特徴です。

 又、1日券は8.4ユーロ(約1092円)とこれも破格の安さを誇る他、空港からの利用も非常に便利な代物と言えよう。


10.イタリア

 ローマは均一性の地下鉄を採用しており、1回の乗車でバス・鉄道なら1.5ユーロと安い値段で行く事が出来ます。

 つまり、スペインよりも安くいく事が出来る上に、1日券も6ユーロ(約760円)と破格の安さを誇ります。

 又、1週間券では24ユーロ(約3120円)とこれも破格の安さといえる為、南欧は全体的に日本・北米・西北欧より安い運賃が提供されているのは事実となります。



 これらを見ればお分かりの通り、日本の場合、鉄道運賃は初乗り加算があるものの西北欧や北米より割安な一方、アジア諸国や東欧・南欧に比べて高めの運賃を適用されている事が分かります。

 また、英国と同様に独立採算性が高い要因といわれていますが、国が管理しているドイツ、スイス、アメリカなどは日本より割高な運賃が適用されている事を考えると国や共通運賃制度で安くなることは決してなく、寧ろ鉄道運賃の値上げでその都市中で波及し、自転車分担率が上昇する危険性が高いと言えます。

 つまり、共通運賃や国の管理で鉄道運賃が安くなれるのは完全に御伽噺おとぎばなしの世界しか存在しない事になります。

 現実は、ゾーン制、共通運賃制度は鉄道の安全破壊に繋がり、割引は逆に高く見られる危険性が高いので正規の運賃を下げつつも1日乗車券制度を充実させる必要があると言えるでしょう。

 1日乗車券を数社分に拡大させ、キロ数当たりで割安な運賃を適用させれば鉄道利用を向上する事が可能だと言える他、土休日にやっているフリーパスは、平日も含める事で利用率向上が容易になると言えます。

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