第16回 信用乗車方式は鉄道離れを生み出す。

 今回は自転車の問題と絡んで鉄道乗車方式についても説明して行きます。

 何故、都会では鉄道を使わず、自転車で通勤する人が多いかというと


 1.鉄道運賃が高いから


 2.鉄道切符のシステムが複雑すぎて使いづらい事…。


 3.居住性が悪い事が挙げられます。


 1つ目の鉄道運賃については、日本だと初乗り加算、英国やドイツだとゾーン制による郊外での運賃の高さ(ゾーンを経由すると短距離でも高額な運賃を取られる事…。)が出てくると思います。

 又、ドイツも鉄道運賃が高く初乗り運賃も約3km未満で1.7ユーロ取られる事が主な要因だと言えます。

 加えて検札員が乗車券誤認も多い事が運賃の高さを際立たせると思います。

 更にベルリン地下鉄の利用者が少なく、使いづらい理由として信用乗車方式と運賃体系が非常に複雑なシステムが上げられます。

 何故、信用乗車方式は地下鉄などの利用者の多い路線で向かないのか?

 それは混雑が悪化するだけでなく検札員が普段から徘徊しているので検札を確認しないと不正乗車を許すので混雑していると検札員が入りづらい環境が整う。

 つまり、その車内環境が原因で信用乗車方式が不可能になってしまう。

 しかし、ここで注目したいのは地下鉄以外では日本やロシア、中国みたいに鉄道利用者の多い国や都市部周辺では改札が必要になるものの、LCCや高速バス、自転車での移動が比較的、多い欧州(英国除く)では打刻制、即ち信用乗車方式でも充分やっていけるだけの混雑度なのは言うまでもない。

 だが、ドイツは他の国と違うのは地下鉄まで打刻制、即ち信用乗車方式を採用し、結果的に地下鉄の信用を失い利用者が少なくなった事例があるからだ。

 逆にパリやロンドンなどは地下鉄や都市近郊列車の場合に限り、改札口を採用している。

 やはり、地下鉄の場合、不正乗車が多い上に検札員絡みのトラブルが相次いだ事、合理化などで自動改札が進んだのだと言える。

 つまり、地下鉄などの都市の輸送手段に信用乗車方式がダメな理由は検札員絡みで原因になる理由が多いからだ。

 ベルリン地下鉄の場合、乗車券を打刻してもそれに誤認する検札員や検札詐欺を横行する事件が後を絶たず、1日券を短距離券と誤認、及び偽検札員による詐欺が横行した事、検札員の徘徊が原因での利用者の乗り心地が非常に悪くなった事から鉄道を使わなくなった。

 又、罰金が60ユーロ(1ユーロ=130円で7800円)と非常に高額で利用者しにくい上に、検札員の徘徊で寝る事すら出来なくなる環境が整ってしまったのだ。

 それが裏目にでてベルリンでは自転車が急増し、自転車マナーが悪化し、鉄道や車だと家計が破産するので自転車しか移動できない街作りになってしまったと言えます。

 ロンドンと同じ理由で車の維持費、鉄道の定期代や乗車券等が高いのに居心地が悪い。

 そうなると、最後の移動手段は自転車しかなくなり、マナーの悪い自転車が激増する羽目になります。

 これではモーダルシフトの意味がなくなり結局、自転車シフトしかならない街へと変貌するのです。

 そうなると、車以上に街の印象ががた落ちし、個人商店は崩壊します。

 個人商店は公共交通機関と徒歩で移動しやすい環境でしか繁盛しない事を考えなければならない。

 それを考慮した上でモーダルシフトは自転車を引いたうえで考えた方が良いでしょう。

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