第10回 過密路線は編成を統一せよ。

 今回は混雑緩和の為なら、何が必要なのか考えていきます。

 電車で過密路線程、遅延や編成の問題が起きやすいと思います。

 特に小田急電車やJR高崎線、京急電車、東武伊勢崎線みたいに各駅停車のみの停車駅等に停車できる両数が限られている私鉄では様々な弊害が起こり得ます。

 なぜか…、


 1.各駅停車のみに停車できる駅の有効長が限られる。


 2.その影響で投入できる車両編成が異なる。


 3.結果的にそれがダイヤを組むうえで障害になる。


 この3点だと思います。

 特にJR高崎線は上野東京ライン・湘南新宿ラインを介して直通している東海道線まで及びます。

 JR高崎線は現在こそ、大宮駅~本庄駅まで15両運行が可能になりましたが、つい最近までは籠原までしか15両に対応せず、おまけに現在も本庄駅~高崎駅が10両までしか対応していません。

 また、東海道線・高崎線にグリーン自由車(ぼったグリーン車)が2両連結されているので必然的に乗れる車両が2両減ります。

 つまり、10両なら8両、15両なら13両まで減らされること隠なります。

 加えてJR高崎線や東海道線は踏切事故や人身事故が多い為、遅延が多く、籠原等の併結の為により遅延を拡大する危険性が高まるなど非常時の問題には関わってきます、

 他方、JR宇都宮線はJR宇都宮駅まで15両対応しており、こちらはほぼ柔軟性を取れている事から如何に高崎線が緊急時に貧弱なのかが分かってきます。

 つまり、ここで言いたいのはJR東海道線~高崎線の運用の際、熱海駅~高崎駅は極力15両運転できる体制を整え、何があっても遅延時に連結をしない運用をする事で遅延回復に繋がり、ひいては混雑緩和に繋がるのです。


 これはJR高崎線に限った事でなく小田急線にも言えます。


 小田急線は現在、複々線工事を進めていますが、複々線完成後でも代々木八幡駅が10両か工事を終えない限り、各停8両運用までしか対応出来ません。

 更に新松田駅~小田原駅間の途中駅及び、江ノ島線の各停しか停車しない駅では6両、箱根登山線は4~6両しか対応せず、遅延が起きたらこれらの列車の影響で遅れっぱなしになります。

 ただ、江ノ島線各停は線内運転が増加し、優等列車はほぼ10両化しているので問題ないですが、小田原線は新松田駅~小田原駅間で6両急行がここを停車する事が多く、複々線化完成しても代々木八幡駅の設備の問題で10両各停が千代田線しか投入できない事情が出てくると遅延時に危ないと言えます。

 つまり、10両編成なら極力、10両に統一して運用する事で遅延対策として挽回できる環境が整えられます。

 また、6両しか停車しない駅は極力、起点に近い駅に入選しない等の工夫も必要といえます。

 つまり、ここで言いたいのは駅の有効長を極力備える事で、どの種別も停車する事が出来る為、それが遅延や混雑緩和につながる要因に繋がると言いたいのです。

 特に長距離運用程、乗ってくる人が多くなるので基本的に編成統一が混雑緩和や安全運転向上、種別問わずに柔軟な運用が出来る観点から非常に望ましいと言えるので積極的に進めた方が良いと思います。

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