第302話 伝説、怪奇な話しは夢物語ではなく、現実にあったのだ!(6)

 亜紀ちゃんは『サラリ~』と、こんなこことを、ではないよね?


 僕自身家庭を持った。妻を娶った訳だから。ごく一般家庭の、当たり前のこと。夫が妻に子に、家族にと、己が稼いだ金を妻に手渡し、生活費に当ててくれと渡す生活費を。夫の僕はくれないのか? と、尋ねてくる。


「えっ? せ、生活費?」、


「……僕の給料の全部を家に、家庭に、入れないとだめなのかな? 亜紀ちゃん?」


 取り敢えず僕は、亜紀ちゃんに問いかけてみたのだよ。僕が一応は働いて稼いで貰った。


 それも僕に、家庭にはお金を入れないのか? と。今僕に問いかけている亜紀ちゃんから貰った給金、給料を入れないのか? と、問いかけてきている。


 だから僕は『どうしよう?』、『どうしようか?』と、なる訳でね。


 だって僕の背に、さり気なく寄り添い甘えている二人……。


 ラフィーネさんとキヨミさんは、大変に楽しみにしていると思うからね。僕自身、こう考える。思案をするとさぁ、二人には悪い。悪いからね。


 僕は亜紀ちゃんからシルフィーヌへと視線を変えて、妻と目が合うと。


「(今回だけ頼むよ。シルフィーヌ。亜紀ちゃんを説得してよ。お願いだから。シルフィーヌ。愛しているからお願いだ。頼む。頼むよ……)」と、心の中で嘆願をしたのだ。





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