第300話 伝説、怪奇な話しは夢物語ではなく、現実にあったのだ!(4)

「えっ? 本当ですか、御方様?」と、ラフィーネさん。


 そしてキヨミさんが、「あ、ありがとうございます。旦那様」とお礼を告げてきたので。


「いいえ、いいえ」と。


 僕は自身の頭を軽く振りながら背の後ろにいる二人へと言葉を返したのだ。


 自分自身では、平常心を保っているキザな男。イケメン男……。


 そう、良く、シネマや恋愛小説、物語に出演する。しているような、イケメン領主、イケメン伯爵さまを装うようにしながら。僕の背の後ろへと、ニヤリ! キラリ! 白い歯光線を振り撒いた。


 そして振り撒き終えたから、また大判、小判、銅貨の古銭達がザックザクと入っている千両箱と。その前で仁王立ちをしているシルフィーヌへと視線を変えると同時に僕は、自身の隣にいる亜紀ちゃんと目が合うのだが。合うと同時に、僕の背に悪寒と畏怖。恐れ慄いてしまうのだ。


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