第299話 伝説、怪奇な話しは夢物語ではなく、現実にあったのだ!(3)

「えっ? いや、あの、あい……。高価な物でなければ、私(わたくし)自身もお洒落と言う物をしてみたくて……。少しばかり欲しいなぁ、と……」と、言葉を漏らしながら。


 キョミさんは照れ恥ずかしそう。まさに乙女の如く振る舞いで、自身の瞳を潤ませながら『旦那さまのいけず~。もうわかっている癖に~』とでも、不満を呟きたい様子で見詰めてくるのだ。


 大変に素敵なお姉さま人魚姫であるラフィーネさんと二人で、だよ。なのだ。

 だから僕はラフィーネさんにも。


「あ、あの、もしかして? ラフィーネさんも、亜紀ちゃんと同じようなパンツスーツが欲しいのかな?」と。


 僕はわかっているのに、知らん振り。わからない素振りを装いながらラフィーネさんにも問いかけてみたのだ。


「は、はい。高価な物でなければ御方様に。妻、妃としてプレゼントしていただければ、私は大変に嬉しい。嬉しくて仕方がないので御座いますが……」と。


 ラフィーネさんはボソボソと、自身の口の中に、何かしら含んでいるのでは? と、僕が思ってしまうような声色で呟いてきた。きたからね。


 ここはラフィーネさんの夫であり。キヨミさんの主になる僕は、男気を魅せることにしたのだよ。


「わかりました。後で購入しにいきましょうか。二人とも」と、優しく告げると。





  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る