第287話 もう一人の人魚姫……(24)
我が一族の長、主である姫様、私の妹シルフィーヌは、二人の困惑しながらの質問攻め。
そう、私の旦那様になる新太様と、もう一人の人魚姫になる亜紀さんの二人から一斉に質問攻め。……だけではないのだ。
「姫様?」
「ん? 何ですか、キョミ? この忙しい時に?」
「ああ、すいません。姫様……。あの、少しばかり、質問をさせてもらってもよろしいですか?」
「ええ、別に構いませんが。手短にお願いしますね。キヨミ……」
「はい。かしこまりました。姫様。……ではすこしばかりお訪ねしますね。姫様?」
「はい、わかりました。キヨミ。私(わたくし)への質問とは一体何ですかね?」と。
私の妹でもあるシルフィーヌが、自身の横で慌ただしく、未だ騒いでいる。御方様と亜紀さんの事を放置しながら訊ねる。問いかけると。
「今後私は、姫様では無く。新たな当家の主人となる旦那様に心身共、心から忠誠を誓い尽くし。奉仕をすれば良いと言う事ですよね? 姫様?」と。
キヨミの奴は、シルフィーヌに対して、私自身も意味が解らない事と、いうか? 意味深な言葉、言い回しで尋ねる。尋ねるから。また周りが沈黙……。
そう、今の今迄、『シルフィーヌ!』、『姫さま!』、『一体どう言うこと?』、『どう言う事なのだ?』と、詰め寄る。言い寄っていた二人。新太様と亜紀さんの二人までもが沈黙をして。しながら。二人の会話の様子を窺い始めるのと。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます