第286話 もう一人の人魚姫……(23)

「もう、ラフィーネは……。先程から何度も、何度も、絶叫をあげては、この場にいる者達を驚愕。驚かせ続けるのですか貴女は……。それにラフィーネ? と、いうか、お姉さま。先程からお姉さまは、何を慌てふためき動揺。困惑をしている。続けているのか知りませんが? キヨミや玉、花の言う通りで、私(わたくし)の夫と言うことは、お姉さまの主、旦那さま、夫に。この人魚の血を引く新太はなる訳ですから。余り粗相のない様子を見せる方がよろしいかと、私(わたくし)は思うのですが」と、姫様……。



 いや、私の妹であるシルフィーヌが、主、夫、御方様の目の前で余り粗相の無い。悪い様子を見せるなと諫めてきたのだ。


「はぁ」と、私の夫となる新太様の様子を凝視しながら溜息と落胆も付け加えてね。


 だからだろうか? 私の妹は、御方様に対して不満、というか? 呆れた顔、表情をしながら。


「お姉さま~。そんなところで、いつまでも、自身の顔色を変えながら呆然、困惑した表情をしない。していないで。こちらにきて主人、夫に挨拶をしたらどうですか?」と、姉の私へと告げてきたのだ。と、同時に?


「えぇ、えええっ! どう言うこと、シルフィーヌ?」と。


「ひ、姫様ぁあああっ! し、新太さんに嫁! つ、妻ってぇえええっ! い、一体どう言う事? 意味なのですか?」と。


 二人──。


 そう、先程迄口論? 言い争い? 夫婦喧嘩? それとも? 亜紀と呼ばれる女性の一方的な嫉妬心? から。争っていた二人からも驚愕が放たれる。放たれるのだが。





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