第284話 もう一人の人魚姫……(21)

 特に私の周りにいる、キヨミと玉、花の三人は、婚期を逃して、行き遅れ状態の私に対して。


『あああ、とうとう、婚期を逃したラフィーネ様が、実の妹の、イチャラブの様子に腹立たせて切れた! 憤怒し始めた! あらあら、大変。大変だ……』


『やっぱりニャン? 未だ自分自身は結婚をしなくても大丈夫。大丈夫ニャンと、玉達に告げていた。言っていた。ラフィーネさまだけどニャン……。やはりニャン。早くニャン。早くニャン。結婚をしたくて仕方がなかったニャン……』


『ラフィーネさまが、いつも、いつも、イライラして花や玉に当たる。八つ当たりばかりをしていたのは。やっぱり、メスの発情期の要求不満……。オスに可愛がってもらいたくて仕方がなかったのですね。ラフィーネさま……』と。


 三人は、私に言いたい。告げたいような顔をしながら、こちらばかりを見る。凝視してくるから歯痒くて仕方がない。ないのだが……。



 私も一言言いたい。言いた者が一名いる。いるのだよ。 特にキヨミ、貴女は私と年齢がほとんど変わらない年頃。と、いう事は? 私だけでは無く。キヨミも私と一緒で行き遅れ……。仕事に生涯を捧げ、散り行く運命の女、女性と言う事になるのだ。と、思えば『ニヤリ』、『ニヤリ』です。私自身も。だからキヨミに対して苦笑を浮かべ、漏らしてやったのだ。


「……ん? 何ですか、ラフィーネ様? 憤怒! 怒号を吐いた思えば。今度は怪しき笑みを浮かべながら。私達三人を見ているようですが?」と。





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