第283話 もう一人の人魚姫……(20)
だから私は瞬時に、家の新たな御方さまは以前、というか? 家の姫さまが知っている認識をしている範囲、期間内で、一度他界。死んだ。死んでしまったようですね。多分、多分なのですが?
まあ、こんなことを私が脳裏で思う。と、いうより? その他諸々と私が思案を始めだすと。
「ラフィーネさま、家の殿さまは、一度死なれたのか、にゃ?」と、玉が私へと問いかけてきたのだ。
でも、皆様も知っての通りで、私自身も今の今。家の姫さまから結婚をした。この家に婿を迎えたのだと報告を受けた。貰ったばかりの私……。
そう、家の姫様の幼い頃から側近として仕え守り。守護。彼女の色々な悩みを聞き、一緒に悩み、苦しみ、抗いながらも二人で解決してきた私。私の筈なのに姫様……。シルフィーヌの奴は……。歯痒い。歯痒いのだ。姉の私に内緒で、いつのまにか彼氏、ではなく。夫、主ですよ! 私の腹違いの妹が連れてきた。紹介をしてきた。男はね。だから怒りが頂点に達している私は、玉の問いかけに対して。
「私に聞いても知りません! 知りませんよ! 姫様に! 姫様に直接聞けばいいでしょう!」
玉に荒々しく告げると。もう、私自身が我慢、耐え忍び続ける事ができなくなり。
「シルフィーヌ! 貴女は何を! 姉の私に内緒で、勝手に男を作り。夫なのだと、城内へと連込んでいるのですか!」と。
まあ、こんな感じですよ。行き遅れの女、女性と言う者。言う奴はですね。
だから私は玉に対して、荒々しく回答するだけではなく。誰の許可、皆に相談……。特に実の姉である私でさえ彼氏もいない。なるような男……。人魚の血を受け継ぐ男もいない日照りの姉を差し置いて。何処の者かも分らないような男を城内へと連れ込んで、先程から二人でイチャイチャしてばかりいる。しているとは言語道断!
「いい加減にしなさい! シルフィーヌ! 貴女はこの城の主! 人魚の血を引く者としか結婚ができません! それを貴女は分っているのですか? シルフィーヌ?」と。
私は自身の実の妹であるシルフィーヌの悪戯、悪態行為に対して腹立たせてしまい憤怒! 罵声を放つ! 放ったのだ!
「…………」
すると最初はこんな感じで、この部屋にいる者達皆が黙り込んで沈黙をしたのだ。
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