第279話 もう一人の人魚姫……(16)

「私(わたくし)が声を大にして叫ぶ、告げるのはいつものことです。ことですから……」と。


 我が家の姫様は、自身の主、御方様に対して、何のも気にしない。と、いうよりも? 傍若無人。旦那さまのことを侮るように……と、姫様の御側に、幼い頃から居る私が言いたい所ではあるのですが。


 我が家の姫様は、わりと照れ屋、ツンと呼ばれる女性なので。これでも姫様なりに私や他の臣下。この場に居る近衛隊の副長件メイド長でもある。姫様と今後御方様の近辺警護に身の周りの世話も兼用してする事になるだろうキヨミと玉、花にちゃんと。御方さま自分の主、夫、このお城、領内の新たな主様になる物だから。ちゃんと分別を弁えてつくすようにと告げたいのかも知れませんと、私自身は思いたい所ではあるのですが。



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