第277話 もう一人の人魚姫……(14)
私が姫様の旦那様、このお城と、いうか、私達臣下の者達の新たな主へとなられる御方様の許へと馳せ参じようとしたら。今度は女性の声が、奥の。そう姫様の寝所の隣に位置するクローゼットとして使用をしている部屋から。また何かしら『物』を見て確認をして驚愕した。今度は女性の声色で私の耳へと声が聞こえてきたから。
『誰?』、『誰の声なのだ?』と、思案を始めると、私は視線を感じたので。感じる方へと視線を向けてみると。メイド長であり。近衛隊の副長でもあるキヨミが『ラフィーネ様! 声の主は誰なのですか?』と、言いたい。訊ねたい顔をしながら私を見るので。己の頭を軽く振りながら私はキヨミに『知らない』、『解らない』を無言で告げたのだ。
「う、うん。ようだよ。亜紀ちゃん……。こっちも見てよ! ツボの中も古銭が一杯。一杯詰まっているよ。亜紀ちゃん……」
「本当だ……。凄い。凄いですね。新太さん……まさに、お宝レベルで沢山の日本の古銭が、この部屋にはありますね……」と。
亜紀と言う名の女性が、姫様のクローゼット部屋には、お宝が沢山あると呟いているんですが。『そんな貴重な物があったかしら?』と、私が思案をしながら困惑をしていると。
「姫さまのクローゼット部屋には、ゴミやがらくたしかないニャン~」と、玉が、苦笑を漏らしながら言葉を呟けば。
「はい。玉の言う通りで、姫さまのクローゼットの部屋は。姫さまのガラクタ置き場ですから……」と。
花がいつもの無表情顔と声音で、さりげなく姫様へと嫌味を告げる。
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