第270話 もう一人の人魚姫……(7)

 だから私は「花~」と、重たい声音と口調で言葉をかける。かけると彼女。花に対して私は上司としての立場と威厳と言う奴を教え、教育と言う奴を教えてならねばならぬ。ならぬから。


 己の、自身の、両手、掌を合わせて握り。『ポキポキ』と指を鳴らしながら指の運動を始める。始めだしたのだ。


 私の目の前で、何を考えているのか分らない顔をしながら。のほほん、ボ~っとしている花へと私は、『ジワリジワリ』と、詰め寄る。詰め寄るのだ。相変わらず自身の指を『ポキポキ』と鳴らし。鳴らした上で、己の唇の端を『ニヤリ』と、吊り上げながら。花へと歩み寄っていく。いくのだけれど。この娘(こ)と、いうか? 花は相変わらずというか? 私がこれほど怒りをあらわにしている顔、様子でいるにも関わらず。彼女は、全く気にもしない。しない顔をしながら。


「ラフィーネさま~。どうしたのですか~?」と、尋ねてきた。



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