第97話 出会い(2)

 と、なれば?



 僕自身もこのまま、地球の重力と言う奴に引かれたままの状態では、己に加わる痛みと激痛──苦しみの増幅が大変に増す。増すばかりだから。このまま黙って、己の首にロープ、縄が食い込み、完全に縛っていく様子、行為を見過ごすし。耐え忍び続けることなどできない。


 だから僕は己の両腕──掌を使用して、ロープ、縄の食い込みを緩ませ、離す、振りほどく行為を試み始める。


 でッ、ないと? 僕の宙に浮き、揺れている身体にある首──。それに絡んでいるロープが、更に僕の喉元へと、己の体重の重さごと食い込んで窒息死してしまうから。


 僕は自身の身体が宙に浮いている状態だけれど。己の身体を動かし、もがき始めるのだ。何とかして、自身の首に食い込んでいるロープを緩め、外し。この苦しみ、窒息死しそうな様子でいる僕の、今の苦しみから逃れる為にとにかく形振り構わず、己の両腕、足をバたつかせ暴れ、己の首に締まるロープを緩めようと試みる、ではないよね。


 僕はとにかく今にも、己の意識が飛びそうなぐらいの苦しみから逃れようと、両腕、両足を使用──バタバタ暴れ、抗いながら。この苦しみから逃れ、楽になろうと試みる。


 う~ん、でもさ? 良く思案をしてみたら?




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