第96話 出会い(1)

 ううう、い、痛い。痛い……と、いう感覚よりも? と、いうか? ない。ない……。ないのだよ。


 それよりも僕は? 苦しい。苦しい……。苦しいよ。


 特に、僕の喉元の方と、いうよりも? 自身の喉元が痛く! 苦しい! 苦しいのだ!


 だから僕は、慌てふためきどころではない。咄嗟に、己の痛く、苦しい喉元へと両手を当て──。痛みが走る箇所へと、己の指先を当ててみた──。


 するとそこには? 縄! ロープと呼ばれる物が、僕の喉元へと絡み──食い込んでいる状態だから、僕は痛くて仕方がないみたい、だけではなく。そのロープが自身の首元、喉仏の上から撒きついたように食い込んでいる、だけではない。


 僕の体重、重量の重さが重力に引かれているようだから、更にロープが僕の首元へと食い込んで、痛み、苦しみを己へと増幅しているみたいなのだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る