第95話 人魚の姫さま日本に! (8)

 そう、私(わたくし)自身が勇気を振り絞り、扉を開け──この静寂した世界、空間へと冒険! 勇者(ひと)達! 探しの為に飛び込んだのですが。


 只この静寂した空間にあるのは、と、いうか?


 私(わたくし)自身が始めてマジマジ見て確認をした。この場にある変わった容姿の造りである建物と。己の目の前で、悲惨な様子で空中を漂う、屍だけだから。


「はぁ~」と、私(わたくし)自身が嘆息を漏らしながら思った。


 そう、思ったところでね、私(わたくし)はふと思うのですが?


 もしかして、私(わたくし)の面前で揺れる動き、漂う。この者は、もしかすると? 私(わたくし)の親戚、一族の者ではないのでしょうか? と。私(わたくし)自身はふと思い始めたのですよ。ではないですよね?


 うわぁあああ~! 不味い~! 不味い~! 不味いです~と、私(わたくし)は自身の心の中で思う、だけではない!


「や、やばい。早く~。た、助けないと~。私(わたくし)の世界では、もう既に滅んだオスのマーメイドが死んで~。他界をしてしまう~。しまいますよ~。だから助けないと~」と。


 私(わたくし)は声を大にして叫びながら。目の前で浮いている。


 そう、宙ぶらりんでブラブラ浮く、悲惨な躯へと抱きつきました。


 己の着衣している高価で煌びやかなドレスが、宙に浮く彼の嘔吐、血、下半身から漏れ流れている汚物で汚れることも気にもしないで、彼に抱きつき、躯をおろす作業を始めだす。一族の主である大変な私(わたくし)で御座いました。



 ◇◇◇◇◇


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