第89話 人魚の姫さま日本に! (2)

 ようし、これでいい……。




 私(わたくし)は、自身の心の中で呟きながらあることおこないました。


 そう、魔法の呪文を詠唱して、己の指先に火──明かりを灯したのですよ。


 だからこれで少しは、というか? 以前私(わたくし)がクローゼットのある部屋の隅に──。他人が凝視してもわかりづらい場所にある秘密の扉を開けて──こちらにきた幼少期の頃よりかは、目の先、足元も確認しながら歩き。歩行をすることができますから、以前のように、足元にあった大きめの石か何かでつまずき、転げ、己の膝を打つことは、これでないとは思うのですが?



 まあ、取りあえずは用心……。




 また、無法者達、邪な者達に襲われ。以前の時は、私(わたくし)自身も、悪しき者達に捕獲され、連れ去られて、凌辱行為を受け、奴隷商の者達に売られることは免れ、助かりましたが。


 この度はどうなるかはわからないので。私(わたくし)はいつでも、妖力、魔法と呼ばれる物を使用できるようにと、状態にする為に、己の指先に魔力の火を灯り代わりに灯したのですよ。


 これならば? 以前の時のような、急に暴漢に襲われても私(わたくし)自身も対処ができます。


 相手に私(わたくし)の指先に貯めて灯している魔力弾を放ってやればいいだけなので。これで私(わたくし)は一安心……。



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