第88話 人魚の姫さま日本に! (1)

 まあ、相変わらず何も無い。と、いうか? 私(わたくし)が今居るこの建物は一体何なのでしょうか? 以前私(わたくし)がこの世界にきた時にも少々困惑しながら、この建物を見て、仰ぎ、思案をしたのですが。まあ、人が住み暮らすにしては少々と、いうか? 少しばかり小さい。狭い気もする建物なのですが。


 う~ん、一体、この建物は何だろう? と、私(わたくし)がこの地に足をつけ、踏み込む度に思うのですよ


〈ガサガサ〉


〈ドテ〉


 ッて、あれ? 今の音は何の音? 風の音……。音なのかな?



 う~ん、それとも? この漆黒の闇の中で暮らす物の足音なのかな~? と、私(わたくし)自身も思えば。過去のこと……。




 私(わたくし)自身の幼い頃に、身の上に起こって悪しき出来事……。暴漢達に襲われた時の記憶が、私(わたくし)自身の脳裏に過去の、この場での大変に嫌、不快感に襲われる思い出として蘇りますね。


 ど、どうしよう?



 この場から逃げ立ち去り、元居た場所……。




 そう、また謎の扉を開けて──我が部屋、お城へと退散した方が良い。良いのでしょうか?



 私(わたくし)は自身の脳裏で、色々と模索──。思案、策を練るのですが。


 う~ん、このまま、我がお城、部屋へと退散をおこなえば、二度と私(わたくし)の王子さま、勇者さまには、逢えない気もします。と、いうか? するので。ここは私(わたくし)、シルフィーヌ・ダインドーは、勇気を奮い起こして突撃──。『ザワザワ』と、音が鳴り、聞こえた方へと、己の両足を向かわせて、進んでみることにします。




 ◇◇◇◇◇

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