第87話 着きました(6)
「よ〜し!」と、声を大にして叫び、は、してはいません。部屋の外に私(わたくし)の声。不可解な行動、好意をしていることが。私(わたくし)を監視している者達の仲間……。
共同隊達の一人に出も聞かれると厄介だから。私(わたくし)は小声。小さな声色で囁きながら独り言……。
そして、覚悟を決めた私(わたくし)。シルフィール・ダィンドーは、いざ行かん! と、勇んで、威勢良く、扉を開け──外へと出ました。
すると? と、言うか?
う~ん、実はですね、
まあ、余り良い思い出、と、言うか? 私(わたくし)自身が大変に酷い目に……。
そう、私(わたくし)のこの真っ白な綿のような色の肌の上に、大変きめ細かい柔肌の仕様のオデコの髪との栄に小さな傷があるのですが。
その傷の原因が、この漆黒に覆われた足元の悪いこの空間で、何者なのかわからない。悪しき者達。暴漢と呼ばれる者達に私(わたくし)は襲われた時にできた傷なので御座いますよ。
だから私(わたくし)は、扉を開ける行為を、少々を躊躇った訳のですが。
もう、私(わたくし)自身が、今の自分が置かれている立場……。
あの者達の都合の良い。酒の席での御人形、玩具になるのがもう嫌! もう私(わたくし)が、自らの命を絶ちたいぐらいの思い。耐え忍べなくなっている状態ですから。藁にも縋る思いで、私(わたくし)はまた謎の扉を開け──。暗闇の中へと己の足を踏み込んだのですが。
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