第86話 着きました(5)

「ふぅ~、やっと終わりました部屋。クローゼットの片付けの方が……」と。


 独り言呟くわたくしで御座いますが。う~ん、さてさて、私(わたくし)のドレスや下着、アクセサリーなどで荒れていたクローゼットの片付けが終わると現れました謎の扉──。


 そう、我が家、我が一族に伝わる言い伝え、伝説と言う物で御座います。


 でッ、その内容の方はと言うと? 我が家の大変に都合の良い内容なので御座います。


 我が人魚、マーメイドの一族に危機、何か災い起これば、己の勇気をふりしぼり、扉を開け訪ねてみよ。すると、そこには、我が人魚の一族を災い。危機から救うことが可能な勇者の一族の者達がいる。


 だから必ず彼等を見つけて、我が家を救えと下知若しくは嘆願するようにと。


 でも? その時の一族を纏める当主が人魚姫に限りオッケー! 願いが叶うのだといった大変にふざけた。私(わたくし)達人魚の一族の大変に都合の良い伝説、言い伝えなので御座います。ッて?



 あっ? そう言えば? 未だこの伝説には、続きがありました。


 その時の一族の当主、人魚姫は、勇者に己の身を捧げ夫婦……。子孫繁栄を図るようにと。さすれば? 勇者は勇気を奮い起こして、人魚姫と、マーメイドの一族を己の身に変えてでも守護するのだと。我が一族の当主が人魚姫限定だと言う胡散臭い伝説なのですが。


 今の当主が私(わたくし)シルフィーヌ・ダィンドーですから。ちょうどタイミングてきには良いので。藁にも縋るではないですか? 私(わたくし)自身も己の勇気を奮い起こして扉を開けてみようと思います。


 だからみなさま~。サヨウナラ~。


〈カチャン〉


〈ドン!〉



 ◇◇◇◇◇

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