第84話 着きました(3)

 だってさ、僕自身が幼少期にこの場、というか?



 まあ、未だかなり手前の方なのだが。この洞窟内で大変に不思議出来事に出くわしている、と、いうかよりも?



 大変に恐ろしい思いと経験を幼少期にしているからね。


 あれ、と、いうか? あの時、僕とコウちゃん二人の目の前の現れた女性の物の怪自体も。家の御先祖さま達が、古に侵した恐ろしい行為に対しての怨霊が形となって、次代の当主になる僕の目の前に現れて、復讐を成し遂げようとしたのかもしれないね? と。僕自身も思えば? あの時現れたお化けに対して大変に酷いこと。おこないをしてしまったと、少しばかり思うし。後悔もしてしまうのだが。


 まあ、というか?



 もう既に終わったことだから。僕自身後悔をしても致し方がないと思うし。僕だけが彼女に襲われて冥府へと誘われるのは致し方ないとは思うけれど。


 あの時? 物の怪の彼女は? この社の管理者の一族である僕を襲わずに、コウちゃんを襲ったのだから。僕が物の怪の彼女へと抵抗、報復をしたのは致し方がないことだと。僕自身も思うことにするよ。


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