第75話 姫さまの不満?(7)
まあ、ないのです。はい……。申し訳ないのですが、私(わたくし)にはそんな勇気は御座いません……。
それに? いざ、私(わたくし)自身も夜逃げを思案、決行をしようと思い。いざ実行をしようと思えば。
私(わたくし)自身の幼い頃……。
そう、将来己の身に、大変な災いが降り注ぐことが確定、決まっているとも知らない初心(うぶ)な頃の、幼少期の記憶と思い出がね。走馬灯が回るように流れ、私(わたくし)の脳裏をクルクル駆け回るのです。
私(わたくし)が幼少期に、祖父母や両親達から。この家、ダインドー伯爵家とお城、一族の者達は、己の身に変えても必ず守るようにと。
それが一族の長であり家長なのだと、祖父母や両親達から多々教えられ、育てられた時のことが脳裏をグルグルと駆け巡る、だけではないか?
そうか~? そういえば~? これもありました~。今私(わたくし)は思い出しました。我が家、一族の栄光、繁栄していた頃の昔話と、また再び過去の栄光を取り戻して欲しい。
そう、我が一族が、海神、軍神、最強の水軍として。またいつか、七つの海を制して、世に君臨──。七つの海を制する王──。
今度こそ天下を掴むようにと、何度も口煩く告げられたことが、私(わたくし)の脳内を駆け巡ります。
悪い時もあるが良い時もあるので、悪い時は、ひたすら耐え忍ぶようにとね。
う~ん、実は我が一族は、もともと、この世界──。海神の許に、水軍を牛耳っていた由緒正しい人魚の一族なので御座います。
でッ、今はこの国の臣下の身に収まり。
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