第70話 姫さまの不満?(2)
そう、仕方がないのですよ。
だから私(わたくし)は、
「うぎゃ、あああ~。歯痒い~。歯痒い~。私(わたくし)に対して無礼極まりない、奴ら八つ裂きに~。してやりたい~」と、「してやろうか~」と。
声を大にして叫び──。
己の心の中でも、あの者達の屋敷や倉庫、店に至るまで、火をつけ消去してやりたい。
と、いうよりも。してやろうと思うのですが。
我が家……。
このダインドー伯爵家……。
と、言うか?
今の私(わたくし)達一族の力では、あの者達の後ろに控える各子爵達に敵う訳もなく。一族の主である私(わたくし)がこのように不満を募らせ、声を大にして叫び──。己の荒々しく、高ぶっている気を、声にして外へと発散──。
それで己の気を押さえることぐらいしかできない。弱く、力の無い我が伯爵家なのでございます。
う~ん、それにしても? ラフィーネだけは……。
このダインドー伯爵家の主である。私(わたくし)の右腕であり、近衛隊長件、軍の最高責任者であり統括をする者でありながら。
主である私(わたくし)にばかり、策を策をと、妙案を出してくれとせがみ、嘆願をしてきますが。良い案が浮かび出ているのならば。当の昔に私(わたくし)がラフィーネに策を授けるか、己で当に実行──行動を移し、起こしています。
でも? 妙案が浮かばない、でない。だから困って、『ワンワン』な状態へと陥っているのに。
ラフィーネ自身も、この家、主思いなのだと、自負するならば。主である私(わたくし)にばかり、この難題を押しつけずに、自分自身も頭を使用して、妙案を思案してもらいたいものです……。
それに? この難題、奴ら……。
そう、商人達にある借金なのですが。私(わたくし)が無駄な浪費……。お金を使用して作った借金ではなく。
私(わたくし)の祖先、御先祖さま達が代々かけて長々、コツコツと貯蓄? した借金なのですよ。
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