第64話 幼少期の大変に不思議で恐ろしい経験……(15)
でッ、更に。
「で、でたよ~! みんなぁあああ~。こっちにこないでぇえええ~。は、早く、逃げてぇえええ~」と。
僕とコウちゃんを救助するためにと勇んで、駆け足でこちらへと向かってくる少年探検隊達──。僕とコウちゃんの仲間。クラスメイトへとこちらに向かってくるな。洞窟の出入り口──。外へと退避するようにと、僕は声を大にして叫んだのだ。
「えぇ、えええ~?」
「うそ~?」
「本当に~?」
「マジでぇえええ~?」と。
僕とコウちゃんの方へと駆け足で向かってきていた仲間達から驚嘆が囁かれる。
と、同時に?
僕とコウちゃん以外の少年探検隊達の、こちらへと向かってきていた駆け足の音もとまる。
みんな僕の声が聞こえたかな?
だから僕は己の脳内で、こんなことを思うのだ。
と、思えば。
「うわぁあああ~」
「逃げろ~」
「待ってぇえええ~」
「助けてぇえええ~」と。
少年探検隊達の口から声を大に舌絶叫が放たれる。
と、なれば?
その後は?
こちらに向かっているのか、洞窟の出入り口へと向かっているのか、どちらかわからない荒々しい足音が、洞窟内へと響き渡るのだよ。
だから今度は、僕とコウちゃんがこの場から退避──。恐ろしい容姿をした物の怪から逃げなくてはいけない。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます