第61話 幼少期の大変に不思議で恐ろしい経験……(12)

 そして反転だ──。


 それと同時に、僕は自分達二人。僕とコウちゃんよりも、洞窟の出口へと向かっている少年探検隊達。クラスメイトへと声を大にして叫び、呼ぶのだ──!


「みんなぁあああ~! コウちゃんが転げて逃げ遅れている~」とね。


 すると? 僕とコウちゃん二人よりも先を走り、洞窟内の出口を目指していた少年探検隊達の駆け足の騒めきの響きが鳴り止むのだ。


 と、同時にね。


「うそ?」


「本当に?」


「ちょっと待っていてよ~」


「今から行くからね~」と。


 僕とコウちゃん達二人よりも先を急いでいた少年探検隊達。残りのメンバー達から声──返答がね。山彦のように洞窟内で声音が反響しながら返ってきたのだ。


 と、なれば?



 僕自身も勇気凛々──自身の心の奥底から湧いてくる。


 そして募れば──。


「コウちゃん~」


 と、声をだいにして叫びながら。倒れ、横たわり。起き上がろうと試みているコウちゃんの許へ慌てて、急ぎ足で駆け寄るのだ。


「コウちゃん。大丈夫?」


 と、優しく声をかけ──己の手を差し伸べながらだよ。


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