第60話 幼少期の大変に不思議で恐ろしい経験……(11)
〈ドン〉
「えっ?」
何? 今の音は⁉ と、僕の口から驚嘆──。
そして思う? だから僕は慌てて後ろを振り向く──。
それも? 相変わらず己の両足を使い走りながらだよ。立ち止まることはしない。僕自身も大変に畏怖。恐れおののいている状態だから立ち止まることはしなで後ろを振り向き──確認をしたのだよ。
「あっ? コ、コウちゃん……」
後ろを振り向き、大きな音──。打撃音なのか? 地面に何か大きな物が落ちたおとなのか? どちらかわからない大きな鈍い音が鳴った方へと僕は視線を変えて凝視をしたのだ。
するとさ、僕の瞳に映る光景はね。今僕が驚嘆を漏らした通りだ。
僕達の中で一番霊感が強くて、常日頃から、普通の人達には見えない何か?
そう、僕は亡者、お化けが見えるのだよ。と、常日頃から自身の口で、クラス中の者達へと告げていた。真夏のヒーローであるコウちゃんの姿──。
それも? 地面に転がった状態で、己の片手を上げながら仲間を呼ぶ──。
そう、転がっている自分を起こし、僕達の目に見えない物から。自分自身を『助けて~、お願い~』と。仲間達へとコウちゃんが泣きながら嘆願をしている様子が僕の目に映る。
どうしよう?
僕の脳裏に、直ぐにこの言葉が走る。
そう、走るのだが……。
僕自身も目に見えない何かが怖い……。
だって、僕の耳にも未だ。
「うっ、ううう……」と。
女性の声色だと思われる唸り声は、未だ聞こえてくるから。
この場から早く離れて、この洞窟内の漆黒の闇から解放をされたいのだ。
だからコウちゃんごめん、ごめんなさい……。
僕は君を見捨てて、この場から逃げる。
そう、自分自身が可愛いから、仲間を見捨てて、この場から退散をするよ。本当にごめんなさい……。
と、言うことはないよね。
「コウちゃん~! コウちゃん、ちょっと待っていてよ~」と。
僕は声を大にしてコウちゃんへと叫び──。
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