第56話 幼少期の大変に不思議で恐ろしい経験……(7)

 そんな真夏のヒーローが僕達へと、自身の顔色を変え。ッて、この暗闇だから彼の顔の色までは確認できない僕達ではあるのだが。


 それでも、彼の声音やガタガタと大袈裟に震える様子を僕達少年探検隊達も確認できれば、何となくは嫌な気分……。




 と、言うよりも?



 この場にいる者達は現実身が増して、最初に『可笑しい?』と勘づき、『何かいるかも?』と、言葉を漏らした。真夏のヒーローの言葉を信じて、と言うか? 完全に信じ込んで、各自各々が畏怖──。恐れ慄き、自身の身体を震え上がらすのだよ。


 まあ、当たり前のことだけれど。


 でッ、その後は?



 この漆黒の暗闇に覆われている、異世界ファンタジーのダンジョン内のような、『シ~ン』と静まり返った洞窟内で、僕達少年探検隊達皆は、各自各々が自身の身体を震わせながら。この場から外まで退却することもなく黙り込んで、時間(とき)が流れるのを忘れてしまうくらい畏怖しながら沈黙を続けていくのだ。


 でッ、少し時間(とき)が経てば、誰構わず。自身の口を開いていくのだよ。


 こんな感じでね。


「何も音がしないね?」


「うん、そうだね?」


「大丈夫のようだね。(ワッ、ハハハ~)」


「そ、そうだね~。大丈夫そうだ~(ワッ、ハハハ~)」


「うん、大丈夫そう」と。

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