第53話 幼少期の大変に不思議で恐ろしい経験……(4)
この場にいる者達……。
そう、漆黒の暗闇の中をハァ、ハァと、荒い息を立て──。各々が一番安堵できる様子で佇み。辺りを見渡しながら会話をしていた僕達少年探検隊の会話がここまで終われば。今洞窟内を飛び周り──。外へ飛び出たのか? 天井、側面の岩盤にまたとまり、己の身を潜めたのか? わからない生物の正体が、僕達少年探検隊達にも何かは予測ができたので自然と、各々の口から合わせ重なったかのように。
「コウモリか?」
「多分ね?」
「そうだと思うよ?」
と、声が漏れてくる。
でッ、その後は、この漆黒の暗闇の中だから。この場にいる僕達はお互いの顔を見合わせても相手の顔がハッキリと見えることはないので、わからないのにも関わらず。各々が仲間の顔を見渡しながら。
「「「アッ、ハッ、ハハハ……」」」
と、声を大にして笑い始める。
そう、この場の何とも言えない緊張感と恐怖心から解放をされた僕達少年探検隊だからね。ホッと、して安堵すれば、ついつい各々が自身の顔を緩ませて笑み……。自分達が恐怖に恐れ慄いていることを誤魔化すために、皆は笑って誤魔化す。と、言うか?
誤魔化すしかないのだよ。
いくらお互いが小学校の、クラス内で仲の良い友人達ばかりだとしても、自分自身の弱々しい姿を見られたくはないで。各々が各自笑って誤魔化し、また威勢をあげるしかない。
そう、また僕達は、各々が掛け声を。
「さぁ~、いこう! 目標の社までは後少しだから~」と。
高らかな声音を洞窟内に、隅から隅まで響かせながら。足早にまた前進を始めだす。僕達少年探検隊だった。
◇◇◇◇◇
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