第48話 洞窟内にある謎の社(11)

「えっ? いや、どうだろう?」


 僕は気落ち落胆をした声色で言葉を返したよ。


 だって親戚のおじさんの話しを聞き、僕の夢が、『夢幻』で終わったことを悟ったから。


 僕が落胆をするのも致し方がないことだと思う。


「新太、お前は知らないだろうから、教えておいてやるよ」


 そんな様子でいた僕へと親戚のおじさんが声をかけてきたから。


「ん? 何?」と。


 僕は言葉を返したよ。


「あのな? 新太? この辺りの瀬戸内の水軍は、毛利氏側ではなくて、大内氏側……。そう、陶氏の水軍に加担をしていたみたいだから。家の一族も含めて男達は、皆一度殺されて、女達だけの集落になったらしいのだよ」


「えっ? そうなの?」


「ああ、そうみたいなのだぁ……。だから仮に、御先祖様達の財宝があったとしても。その時にみな略奪……。毛利氏側の水軍達に持っていかれていると。おじさんは思うぞ?」と。


 言葉を返した僕……。




 そう、落胆をしている僕へと、親戚のおじさんは、遠いい昔……。中世、戦国時代の頃の我が一族に伝わる昔話を教えてくれたのだ。


 それを聞くと僕は更に落胆……。



「そうだね。おじさんの言う通りだよ。財宝なんてある訳ないよね……。だから洞窟内へと近づかないようにするよ。洞窟内は真っ黒で足元もよく見えない状態だから転げても危ないし。洞窟内の天井や側面の岩盤が崩れでもしたら危険だし。危ないから近づかないようにするよ……」と。


 親戚のおじさんに告げた。



 ……だけでない。


 祖父や祖母、一族内の御老体や親戚のおじさんやおばさん達へも、僕は聞き分けのある良い子だから洞窟内には近づかないと告げ、誓うのだ。


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