第47話 洞窟内にある謎の社(10)

 可笑しいことにね。


 だから僕自身も少しばかり思案をすれば、恐れ慄く素振りも見せずに。


「それで、おじさん、御先祖さまの財宝はあったの?」


 と、興味津々に訊ねたのだ。


「うぅんや、無い……」


 親戚のおじさんは、自身の腕を組みながら、興味津々でいる僕へと宝物など無いと教えてくれた、だけではない。


 彼は苦笑を浮かべながら。


「新太~。要するに、おじさん達は、御先祖様の財宝等、探索しなかったのだよ」


 と、告げてきたのだ。


 だから僕は「何故?」と、親戚のおじさんに困惑をしながら訊ねる。


「新太、良く考えてみろ? 今迄防空で使用をしていた洞窟内にある社だぞ。お前のように、『何故こんな所に社があるのだ? 不思議でならない? 探索をしてみるか?』と、疑念に思って探索した御先祖様達も多々いるはずだ……。実際俺も幼い頃は、新太。お前のように不思議だと思い。何度も社に足を運んだことがある……」


「あっ? 儂も足を運んだ事もあるぞ……」


「ああ、俺も、俺も、社に行った……」


 僕が親戚のおじさんへと訊ねると、他のおじさん達まで話しに加わり。僕へと告げてきたのだ。


「そうなんだ……」


 僕は親戚のおじさんや御老体達の話しを聞き落胆……。



 夢も希望もなくなったのだ。


 でッ、そんな様子の僕に対して、とどめを刺すように。


「それにな、新太? お前は知らないだろうが? 更に昔……。そう? 昭和の家庭の三種の神器の一つである冷蔵庫が開発されて、販売をされる迄は、あの洞窟を保冷所代わりにも使用していたと、儂は聞いた事がある……。そんな人の出入りの多いい洞窟内にいつまでも財宝などあると思うか? 新太?」と。


 親戚のおじさんが再度僕へと訪ねてきたのだ。


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