第42話 洞窟内にある謎の社(5)

 それでも僕は納得できないからね。


「(大東亜戦争時の末期には貴方達も、あの洞窟を防空壕として使用していたのだろう。ならば? 空襲時の非常サイレンが鳴る度に洞窟内へと慌てて逃げ込み。その都度貴方達は、社を凝視していたのだろうから。社を凝視しては、『不思議だな?』『可笑しいな?』『何でこんな場所に社を隠すように建てる必要性があったのだろうか?』と、全く思わなかったのか?)」と。


 僕は幼いながらも、この人達には好奇心という物が全くないのか? と、不満に思い募らせていったのだ。


 それも、何度もね。


 う~ん、でもさ? そんな様子の僕に対して……。




 と、いうか?



 今、僕自身が大人になり深く思案をしてみると?



 僕の親戚の御老体達は? 僕が自身の心の中で不満を募らせ……だけではなく。


 洞窟内──。


 そう、今僕自身が、重たい足を引きずりながら死地を求めて、誘われるように進んでいる洞窟内にある社──。


 我が一族の御先祖さま達が、代々大事に守護してきた社に対して僕が、大変に興味があることに対して悟っていたのかも知れないね?




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