第41話 洞窟内にある謎の社(4)

 我が一族が代々守護してきた洞窟内の社は、あの頃の幼い僕……。




 と、いうよりも? もうすぐアラサーと呼ばれる年齢がくる僕が未だに見ても不自然極まりない場所に……。




 そう、まるで、他人の目から隠すように建てられている建造物だからね。



 う~ん、でもさ? それでも僕の親戚一同は、お互いの顔を見合わせ──。


 その後一息つくと。


「いいや、全く……。儂等が物心ついた頃には、もう既に社があったし。やはり儂等同様、親戚の者達に訊ねても。これといって困惑をした様子もなく。儂等のような説明をしてくるから。新太のように深く思案。困惑をする事もなかったよ……」


 と、説明……だけではなく。


「今でこそしなくはなったが。日中戦争や大東亜戦争前迄は、社の春と秋の法要祭……。普通に神輿や神楽などもおこなっていたらしいぞ。新太……」と。


 洞窟内の社の件で余りにしつこく訊ねる幼い僕に対して、親戚の人達は、少々苦笑気味で説明をしてくれはしたのだが。



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