第40話 洞窟内にある謎の社(3)

 だから僕自身も幼少期には何度も、祖父や親戚の御老体の人達に訊ねたことがある。


「ねぇ~? お爺ちゃん~?」、「ねぇ~? おじちゃん、おばちゃん達~?」、「ねぇ~? 父さん~?」、「ねぇ~? 母さん~?」、「ねぇ~? 亜紀ちゃん~?」──。


「何故こんな洞窟の奥に、社があるの?」


 と、訊ねたことが多々あるのだ。


 僕自身、未だにそうだけれど、不思議で仕方がないから。


 でもさ? 僕の祖父や祖母、父に母と従妹の亜紀ちゃんや親戚一同含めてね。


「むかし、むかしの、そのむかしから社は洞窟内にあるらしいから? 皆も良くは分からないのだよ? 洞窟の外に立て直そうといった話しも出ないし、無いから……」と。


 幼い僕が納得出来る台詞を祖父や祖母、両親。親戚の御老体、おじさん、おばさん達も含めて言葉を返してはくれないのだ。


 だから僕自身も、その時に怪訝しい表情で不満のある態度をとったと思う。


 僕自身がどうしてもモヤモヤとした気持ち抑えきれない。


 というか?



 みんなの話しを聞いても、どうしても僕自身が、社のことで思案を続ければ、続けるほど納得ができないから。


「みんなは? 洞窟内に何故か社があるから。僕のように不思議に思うことは一度もなかったの?」


 と、再度問いかけたのだ。





  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る