第38話 洞窟内にある謎の社(1)

〈ザク、ザクザク……〉


「ふぅ、けっこうあるな……」


 と声を漏らす僕なのだよ。自身の片手には、家の外に備え付けてある倉庫から持ち出した太くて丈夫そうなロープ……。




 そう、僕の身体の体重の重さがかかっても『プツン』と音を立て切れそうにもないほど丈夫そうなロープを探したのだ。


 そして僕は見つけたので、ロープを倉庫から持ち出して、我が家の裏山へと向かう。


 そこには我が家が防空壕として使用をしていたらしい洞窟があるから。僕はその洞窟へと漆黒の闇に紛れ──。自身の片手を使用しながら雑草をかぎわけながら僕は洞窟へと足早に向かっている最中なのだよ。


 僕自身もさ、幼少の頃は、洞窟までの距離がこんなにも長く遠く感じたことなど一度もないのに。


 今日は何故か僕自身、幼少期に親に内緒で何度も通った洞窟迄の距離を大変に長く感じてしまうのだよ。運動不足の為か……?




 それとも僕が、自身の死地を求めて移動をしている為なのだろうか?



 まあ、とにかく、僕自身、洞窟迄の移動の間に『ゼイ、ゼイ』と息切れ……。只今夏場ということもあり。僕自身も額から汗が滝のように流れる。




 ……だけではなくて背中──。



 僕自身の身体から水分が全部抜け出したのではないか? と、思うぐらい。


 僕の身体中から滝のように汗が流れ落ちていく。


 だから僕自身もここまでくるのに何度も足をとめた──!



 そして『引っ返そうかな?』と、何度も言葉を漏らしては後ろ──。



 我が家の方へと凝視しては引っ返そうかと思い試みようとする。

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