第35話 とうとう僕は、一人になった。(12)

 そう、『もう、大丈夫だよ。父さん……。会社の人達ともうまくいきだしたよ。それにさ、亜紀ちゃんも、これから先も会社にずうっといてくれると僕に告げてくれた……。そして僕の側にも、今後もいてくれると言ってくれたのだよ。だから心配しないで、自身の身体の病を治してよ……』と。良い報告を僕の父へと知らせ。彼を安堵させてあげようとしていた矢先に……。



 僕の父の病状が急変……。胃の悪性腫瘍がひどくなり悪化……。



 僕の父は二度と帰らぬ人……他界をしてしまったのだ。


 だから僕の父は死ぬ間際まで。我が家の一族が代々おこなってきた商い……。




 この会社の行く末を不安。心配をしながら冥府へと旅立ってしまったと言うことになるのだ。


 また僕自身も、そう思案を始めると悔しくて、悔しくて仕方がない……。




 そして後悔だけが僕の心の奥底に、罪悪感と一緒に残っていくのだ。


 そう、心の弱い僕の、心の奥底の闇としてまた残り、燻り始めるのだが。

父が他界した日から御通夜、葬式、焼き場……。

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