第29話 とうとう僕は、一人になった。(6)

「新太さん、美味しい?」


「う、うん、美味しい……。本当に美味しいよ。亜紀ちゃん……。いつも、いつも本当にありがとう……。そして、ごめんね……」と。


 僕の目の前で、優しい笑みを浮かべながら問いかけてくれる女神さまに、謝罪とお礼を告げる。


 そう、独り身の僕が、心の病に侵されて引き篭もり……。



 そして、病院通いもしている状態だからと従妹の亜紀ちゃんが。兄のように慕う僕のことを親身に世話……。毎日積極的に介護をして尽くしてくれている状態だからね。僕自身もこのまま、従姉と言うだけで亜紀ちゃんには甘えてはいけないとは思うのだが……。


 特に僕の従妹である亜紀ちゃんの容姿を見て確認をすればわかる通りで。僕が先程から何度も彼女のことを【女神さま】と呼び──。褒め称えるように、僕の従妹の容姿は、本当に女神さまと言って良いほどの容姿端麗な女性なのだよ。


 その上、彼女のこの明るさと気の利くところは、家の会社の社員の人達にも大変に人気がある。


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