第26話 とうとう僕は、一人になった。(3)

「おいおい、社長……。息子は何とかならんかね?」


「社長! 息子を何とかしてくれよ!」


「会社の方へは一切顔をださん! 何とかしてくれ!」


「会社の業務の方も全部亜紀ちゃんにまかせっきりで、家に引き篭もってばかりいるから。儂らは皆困っている。だから息子を何とかしてくれ!」とね。


 まあ、家の会社の社員のおじさん達はこんな感じでさ。もうすぐ【アラサー】と呼ばれる年齢になる青年の僕のことをいつまで経っても子供……。



 未だ小さな社長の息子としか見てくれず。自分達の会社の上司。専務とはみずに、何もできない子供、新入社員とぐらいとしか見てくれていなから。


 入院中の父に対しての僕への不満も。このように僕のことを見下し蔑んだような台詞でしか不満を告げはしない。


 また、そんな様子と物言いを見て聞けば、入院中の父も、会社の方が全然うまくいっていないと悟る。


「(あああ、家の会社……。御先祖様から何代も続いてきた家の商いも。儂の代で終わるのか……。まあ、これも致し方がないことだな……)」と。


 自身の心の中で思い肩を落として落胆。気落ちをしながら「はぁ~」と、嘆息を漏らすのだった。


 会社の社員のおじさん達の僕に対しての愚痴を聞きながらだよ。



 


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