第20話 勤め先を辞め変えた僕……(4)

「専務~。これなんだけれど? どうかな? (カサッ……)」サッと書類を手渡れて。


「えっ、どうなんだろう?」と。


 自身の顎に手を当てながら手渡しされた書類に目を通しながら『う~ん、う~ん』と、唸り声を漏らしたくなるほど思案を続ける僕なのだよ。


 だって家の会社に勤めてくれている人達皆は、この職業……。小売り卸し販売業に携わってきた人達……だけではい。


 家の会社のような小規模の小売り問屋業をこの令和と呼ばれる大変な時代の中で少数の人数で支えてくれている精鋭のベテランさん達ばかりだから。


 この業種が素人当然の専務の僕よりは、業務内容を完全に理解している彼らの方がわかるというか?


 何でも一人で判断してできる訳だから。いくら僕がこの会社の専務……。彼らの上司だとしても素人……。


 彼らも僕が素人当然なのは知っている訳だから。『訊ね』『聞かない』『自分で勝手に好きなようにやって欲しい』と、僕は心から思い願うのだ。


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