第14話 父のわがまま……。(6)
そして勢い良く部屋へと飛び込めば、白装束の四人組。家の父の入院中の主治医の先生と看護師さん達四人が、入院用のベッドの上で。自身の身体を強引に起こして立ち上がり退院をしようと試みている父を取り押さえている最中が、僕の瞳に映るから。少しばかり僕は呆然としながら家の父と主治医の先生。残りの看護師さん達五人の荒々しい様子を呆然と佇みながら凝視してしまったのだよ。
だって我が家の父の様子は余りにも酷い。
そう、まるで彼の様子は、幼い子供がおもちゃ売り場で、自身の母親へとおもちゃを今直ぐ購入してくれと、我儘を言っている様子に見えるくらい酷いもの。
それも僕が部屋へと侵入をしていることに家の父は未だ気がついていないようだから。
「た、頼む! 頼むから! 今直ぐ退院をさせて欲しい! 先生! 看護師さん! お願い! お願いだ!」と。
彼は四人に対して、大変に自分本意な願い。幼い子供のような我儘を口に出しながら未だ嘆願しているのだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます