第6話  僕の父の病の状態

「お父さんなのですが?」


「はい?」


「……胃の方に悪性の腫瘍ができているようですね……」


「そうなんですか?」


「はい……。それも? かなり大きくなって悪化している状態なので……。こちらも尽力を尽くし、善処してはみますが……。御家族の方も覚悟の方はしておいてくださいね……」と。


 僕はお医者さんに告げられた。父の余命の方は、そう長くはないのだと。余命宣告と変わらぬ台詞をお医者さんから聞かされた僕に対して彼。まあ、お医者さんなのだが、彼は僕に気兼ねをしながら遠回しに告げ教えてくれたところをみると?


 僕の様子……。


 そう? お医者さんが僕へと、ゆるりとした口調と労うように告げないといけないほど。僕の顔色の方は本当に悪く。自身の肩を落とし落胆をしていた様子だったのだと思う。


 まあ、そんな彼? お医者さんのことなのだが? 最後に彼は僕に、


「お母様の姿は見えないようですが? お母様は、今日は不在なのですか?」と。


 疑問文で僕へと訪ねてきたので。


「家の母はもう既に他界をしています」と。


 僕は自身の母。そして? 胃癌の末期だと余命宣告された父の妻は、もう既に他界をしてこの世にはいないのだと、お医者さんに権威的に告げた。


「そうですか……」


「はい……」


 これで僕とお医者さんとの、父の病の症状。それが大変に悪化して良くない。


 だから息子の僕に父の生死は覚悟をしておくようにと余命宣告の話し。そう彼との会話は、これで終わったのだ。



 ◇◇◇◇◇

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