6085階は空の世階
魔力で浮かぶ、無数の浮遊大陸が存在するこの世階では、雲の海に街が点在し、そこを空飛ぶ船、飛翔艦が行き来している。
階層の南側には、古代文明時代に作られたという浮遊遺跡が存在しており、一攫千金を夢見て、訪れる冒険者も多い。もっとも、異世階からの旅人である私の目的は、宝ではなく、
「あんた、何ボーっとしてんのよ。そろそろ着くわよ」
飛翔艦の甲板で爽やかな風を浴び、ぼんやり物思いにふけっていた私は、少女に声を掛けられる。彼女もまた、夢を追う冒険者の一人であり、訳あって、今は私の相棒だ。
彼女の強気な眼差しは、故郷の幼馴染によく似ている。故郷には、もう私のことを覚えている者などいないだろうが、あそこに帰ることは未だに私の目標の一つだ。
朝日に照らされた浮遊遺跡が、目前に見えてきた。私の相棒は、未知なるものへの期待感に目を輝かせている。1階から旅立った時の私も、こんな表情だったのだろうか。
今は難しいことは考えず、この冒険を楽しむことにしよう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます