847階はサムライの世階
ここでは、サムライと呼ばれる者たちの決闘によって、あらゆる物事が決定される。
その昔、戦争が絶えなかった階で、選ばれた者たちが争いを代行して、解決したのが始まりだとか。
古戦場で、2人のサムライが向かい合っていた。一人は歓喜の表情を見せ、もう一人は絶望と悔しさに震えていた。
既に審判は、戦いの結果を告げた後だ。
戦いに敗れたサムライには、罰が与えられる。
敗北者のマゲは、切り落とされるのだ。審判は徐ろに、レーザー銃を取り出し、敗者の頭にかざし始めた。毛根を焼き、二度と毛が生えないようにするためだ。一生ハゲとして生きていかねばならない。若くして、敗者の烙印を押されたサムライは、自分のこれからの人生のことを思いつ、涙を流した。
847階において、人々が些細な喧嘩や紛争で傷つくことがなくなった裏で、年間何千ものサムライがハゲになっているという事実を忘れてはならない。
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