昼休み

翌日も僕は普段と同じように授業を受けていた。

僕は冷夏のことを考える。


「中村。これ解いてみろ」


数学の先生は僕のことを指す。


「はい」


僕は立ち上がって答えを黒板に書く。

先生は僕のことを見ている。時間は過ぎていく。僕は必死に考えながらチョークを動かす。


「正解」


先生は僕が解いた答えに赤いチョークで丸をつけた。


休み時間になると数人の男が僕の周りに集まる。


「お前、隣のクラスの高峰と知り合いなの?」

「別に」僕は言う。

「お前が話していたの見てたぞ」


一人の男が言う。


「たまたま用があったんだよ」

「へえ」


そいつらはそれだけ聞くと違うところへ行ってしまった。


昼休みに僕は屋上でパンを食べていた。

空がきれいに輝いている。白い雲が流れていく。空は真っ青だった。


「優斗」


ふいに後ろのドアが開いて声が聞こえた。そこには高峰冷夏がいた。


「何」僕は言う。

「昼休みここにいたんだ」

「まぁね」

「一人でご飯食べてるの?」

「一緒に食べる人もいないし」

「じゃあ一緒に食べよ」


冷夏は僕の隣に座り、持っていた小さな弁当箱を広げた。


「昨日ぶりだね」

「そうだね」

「ラインやってる?」

「一応」


僕らはラインを交換した。


「今度の休みに私ライブに行くの?」

「へえ」

「優斗も行かない?」

「別にいいけど」


そんな話をしているうちに昼休みは終わった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る